インドをはじめとするアジアの国々では、
スパイスは欠かせない存在。
毎日の食事に何種類ものスパイスを使って、
食欲を刺激したり気分を
リフレッシュさせたりしています。
おうちごはんにも
気軽にスパイスを取り入れて、
暑い夏はもちろん、
気分を変えたいとき、
刺激を感じたいときなど、
いろいろなシーンで楽しんでみませんか?
「スパイスで旅する世界の食卓」インド編は、
スパイス料理研究家の
印度カリー子さんによるインド旅行記。
インドの食文化や旅のエピソードを、
おすすめのレシピとともにご紹介します♪
空港に降り立った瞬間から、そこはもう別世界。もわっとした熱くて湿った空気に包まれて、全身でインドを感じます。
私の旅の目的は、ひたすら食べること!街に出て、現地の言葉で書かれた飲食店の看板やメニューを目にすると、それだけでワクワクしてきます。
サモサやバターチキンカレーといった日本でもポピュラーなインド料理だけでなく、珍しい料理や郷土料理に出会えるのが旅の醍醐味。インドならではの気候や気温、独特の異国情緒のなかで味わうスパイスの効いた料理は、格別なおいしさです。
ホテルでチェックインを済ませたら、真っ先に屋台へ。調理する様子を間近で見られるのが楽しいうえに、料理の勉強にもなるんです。興味津々でのぞき込んでいると、お店の人が一口味見させてくれることも。
屋台グルメのなかでも、特に記憶に焼きついているのがレバーティッカ。スパイスとヨーグルトに漬け込んだ一口大のレバーを、串刺しにして焼いた料理です。通常はタンドールと呼ばれる窯で調理しますが、屋台ではドラム缶が使われていました。廃品をとことん有効活用するところがインドっぽいな~と感心。
レバーが苦手なのでおそるおそる食べたのですが、スパイスの香りが際立ち、苦手なはずのレバーの風味が気にならず、あっという間に完食してしまいました。
インドでは、どの飲食店のメニューにもカレーがあり、人々は毎日のようにカレーを食べます。インド料理のカレーは、和食でいえば煮物のようなもの。肉はもちろん、魚介、豆、野菜、チーズなど、具材のバリエーションも豊富です。日本でおなじみのカレーにごはんやナンを合わせたスタイルの食事は、ランチによく食べられています。
海辺の街を訪れたときには、現地に住む友人が、プロウン(エビ)カレーが名物だというレストランに連れて行ってくれました。殻つきのエビがごろごろ入ったカレーは、これでもかというほどエビのダシが出ていて、まさに絶品!素朴な味わいの堅焼きパンをカレーに浸しながら、口いっぱいに頬張って夢中でたいらげました。魚介とスパイスは相性抜群。日本でも、もっと魚介のカレーを広めたいと思っています。
「世界のスパイシー&さっぱりごはん」ナビゲーター印度カリー子さん
「スパイスカレーをおうちでもっと手軽に」をモットーに、初心者のためのオリジナルスパイスセットの開発・販売をする他、レシピ本執筆など幅広く活動。
「スパイスカレーをおうちでもっと手軽に」をモットーに、初心者のためのオリジナルスパイスセットの開発・販売をする他、レシピ本執筆など幅広く活動。
味の決め手はマリネ液に加えるパプリカパウダー。食欲をそそる赤い色合いだけでなく、深みのある甘さとコクのある香りをつけてくれます。ターメリック、シナモン、カルダモンの香りが、主張の強いレバーの味をマイルドに。フライパンではなくオーブンで焼くことで、適度に水分が抜け、ぐっと旨味がアップします。辛味を加えていないので、お子さんにも。80代の私の祖母も大好きなんですよ。